山中比叡平の地域の特性を、私たちは「ほどのよい孤立」「ほどのよい小ささ」と言っている。その特性を生かす意味でいえば、「思いついたらすぐできる」「小さいからこそできることがある」また、「みんなが同じ方向に向かって気持ちがまとまりやすい」。そして、古い集落と新興の住宅地とがそれぞれにたがいにはない長所を持っていて、たがいがそれを尊重し、なによりもたがいにその持てるものに対して「一目おく」という気持ちを持っているので、共生の関係をうまく築くことができている。当初はぎこちない共同体として出発した比叡平の人たちも、山中町の強いリーダーシップによって育てられ、社協をはじめ地域での活動に積極的に参加するようになった。